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BONUS · FINANCE THEORY

ファイナンス理()論()、
4時間()目()まで。

本編()を読()み終()えた、あなたへ。
暴()落()の日()に効()くのは、根性()じゃなく理()屈()。
使()うのは電()卓()でできる算()数()だけ。中学校()の授()業()みたいに、4コマ分()。

Reading 約()18分()
Level おかわり
Type Bonus

いそがしいあなたへ

30秒()まとめ

  • 暴()落()の日()にあなたを守()るのは、"根性()"じゃなくて"理()屈()"です。理()屈()を知()っていると、パニックにブレーキがかかります。
  • 授()業()は4時間()目()まで。①統()計()分()析()(世()界()はばらつきでできている)②プライシング理()論()(値()段()は将()来()のお金()の現()在()価()値())③ポートフォリオ理()論()(分()散()だけがタダのランチ)④リスク管()理()(消()せないリスクにどう備()えるか)。
  • 数()値()には、必()ず「いつ時()点()か」を添()えます。理()屈()は時()代()を越()えても、数()値()は動()くからです。
  • 最()後()に課()外()授()業()として、「なぜプロに任()せても、平()均()では市()場()に勝()てないのか」という"算()数()"も見()ます。
  • 理()屈()を知()っている人()は、同()じ暴()落()を見()ても取()り乱()しにくい。中()学()生()でも分()かる言葉()で、そこまで連()れていきます。

むずかしく感()じても、あなたのせいじゃない。ゆっくりいきましょう。

なぜ、理()屈()を知()ると
強()いのか

結()論():暴()落()の日()にあなたを支()えるのは、気()合()いや根性()ではありません。「これは、そういうものだ」と知()っていることです。

想()像()してください。ある朝()、ニュースが「株()価()、大()暴()落()」と伝()えます。資()産()が2割()減()っていたら、あなたはどうしますか?

多()くの人()は、ここで売()ってしまいます。理()由()は簡()単()で、「何()が起()きているか分()からない」から怖()いんです。でも、暴()落()が「なぜ起()きるか」「過()去()どうだったか」「理()屈()のうえで何()が普()通()か」を知()っている人()は、同()じ数()字()を見()ても、慌()てにくい。知()識()が、心()のブレーキになります。

このおまけページは、投()資()の「理()屈()」の授()業()です。中学校()のノリで、4時間()目()まで。内()容()は4つ。

最()後()に、課()外()授()業()もあります。それではチャイムが鳴()ったので、1時間()目()を始()めます。

ユメ
ユメちゃん(初()心()者())
理()屈()を知()ってても、暴()落()は怖()いよ……。
マリ
マリ先輩()(投()資()歴()10年())
うん、怖()さは消()えないよ。でも「これは何()十回()もあったこと」って知()ってるだけで、パニックにブレーキがかかるの。今日()はその"ブレーキ"を、一緒()に作()ろう。

1時間()目() 統()計()分()析()
世()界()は「ばらつき」でできている

投()資()も人()生()も、結果()は毎()回()ばらつきます。そのばらつきの正()体()を知()ることが、リスクを知()ることです。

身近()な例()から。宝()くじの(払()ったお金()のうち、平()均()的()に戻()ってくる割()合())は、種()類()によって違()います。ジャンボ宝()くじが約()49.9%()、スクラッチが約()47.5%()、数()字()選()択()式()(ロト・ナンバーズなど)が約()45.0%()(総()務()省()・宝()くじ公()式()データ、2026年()7月()時()点()。法()定()上()限()は5割())。どれも「買()った瞬()間()に、お金()の半()分()前()後()を失()う」賭()けごとです。一方()、公()営()競()技()(競()馬()など)は約()75%()、パチンコは約()80〜85%()が目()安()。宝()くじは、いちばん「戻()ってこない」賭()けごとです。

では、保()険()会()社()はなぜ成()り立()つのか。理()屈()はこの逆()です。たとえば、死()亡()率()0.1%()の人()が1万人()集()まった団()体()を考()えます。保()険()金()が1,000万()円()だとすると、平()均()して10人()(1万人()×0.1%())が受()け取()る計()算()になり、支()払()い総()額()は1億()円()。これを1万人()で"割()り勘()"すれば、1人()あたりの負()担()(純()保()険()料())はたった1万()円()です。1人()1人()の「その年()に何()が起()きるか」はバラバラでも、大()勢()集()まれば、平()均()はかなり正()確()に予()測()できます。これが(たいすうのほうそく)です。

なぜこの計()算()をするのか

いまやった計()算()には名()前()があります。「期()待()値()(きたいち)」です。全()員()の"もしも"(起()こるかもしれないこと)を確()率()で平()均()して、前()払()いの値()段()に変()換()する計()算()のこと。さっき見()た宝()くじの「戻()ってくるのは半()分()前()後()」も、まったく同()じ計()算()でできています。当()たる確()率()と、当()たったときの金()額()を全()部()平()均()すると、還()元()率()が出()てくるんです。

電()卓()での再()現()手()順()

  1. 1万人()に、死()亡()率()0.1%()をかけます。1万() × 0.001 = 10人()(受()け取()る人数())
  2. 10人()に、保()険()金()1,000万()円()をかけます。10 × 1,000万() = 1億()円()(支()払()う総()額())
  3. 1億()円()を、1万人()で割()ります。1億() ÷ 1万() = 1万()円()(1人()あたりの負()担())

宝()くじが「戻()ってこない」のは、還()元()率()が低()いだけでなく、あなた自()身()の"試()行()回()数()"が足()りないから。1枚()や100枚()買()ったところで、当()選()確()率()が低()すぎて、大()数()の法()則()が働()く前()に寿()命()が尽()きてしまいます。保()険()とインデックス投()資()は、逆()に「大()勢()・長()期()間()」を味()方()につける仕()組()みなんです。

投()資()の世()界()で「リスク」というと、"危()険()"だと思()いがちですが、正()確()にはちがいます。リスクとは"結果()のばらつきの大()きさ"。上()にも下()にも大()きく振()れる状()態()を「リスクが高()い」と呼()びます。

では、株()式()のばらつきは実際()どれくらい"味()方()"になってきたのか。世()界()最()大()級()の長()期()データ、DMS(Dimson・Marsh・Staunton。 2026年版()、2026年()3月()公()表()、1900〜2025年()の126年間())を見()てみます。世()界()株()式()の実質()(物価()変()動()を除()いた)リターンは、この126年間()で年()率()5.2%()。同()じ期()間()、米()国()株()に投()じた1ドルは、2025年末()までに名()目()で約()12万()ドルに増()えました(債()券()や現()金()より圧倒()的()に増()えた、という比()較()の代()表()例()。※概()数())。126年()という"試()行()回()数()"が、ばらつきを平()均()に近()づけてくれた結果()です。なお、2000年()以()降()だけで見()ると、世()界()株()の実質()リターンは年()率()3.5%()程()度()に鈍()化()しています。歴()代()平()均()よりは低()いものの、プラスであることに変()わりありません。

ただし、ここに大()事()な注()意()点()があります。株()価()の動()きは、教()科()書()のようなキレイな正()規()分布()(ふつうの釣鐘()型()のばらつき)には、実()はなりません。裾()(すそ)が厚()いんです()。1987年()10月()19日()の"ブラックマンデー"では、たった1日()で株()価()が約()20%()下()落()しました。これは統()計()的()には20σ(シグマ、標()準()偏()差()の単()位())超()(計()算()の前()提()条()件()によって20〜25σと幅()があります)に相()当()します。正()規()分布()どおりなら、通()常()はまず起()こらないはずの規()模()の"異()常()事()態()"です。もっと日()常()的()な数()字()で言()うと、1日()で3.5%()を超()える変()動()は、正()規()分布()の理()屈()なら「1万()年()に1回()」のはずなのに、1950年()以()降()だけで118回()も起()きています(Forbes/NYU調()べ)。

σ(標()準()偏()差())とは何()か

σ(シグマ)は、「値()のばらつきの大()きさ」を1つの数()字()にする計()算()です。手()順()は4つ。①平()均()を求()める。②それぞれの値()が、平()均()からどれだけズレているか(偏()差())を求()める。③そのズレを2乗()する。④2乗()したズレの平()均()(分()散())を求()め、最()後()に平()方()根()をとる。

なぜ2乗()するのか

ズレには、プラス(平()均()より上())とマイナス(平()均()より下())があります。そのまま平()均()すると、プラスとマイナスが打()ち消()し合()って、ズレがなかったことになってしまいます。2乗()すればマイナスも必()ずプラスになり、しかも大()きなズレほど、より強()く効()いてきます。最()後()に平()方()根()をとるのは、2乗()で変()わってしまった単()位()(%()が%()²になる)を、元()の単()位()に戻()すためです。

電()卓()での再()現()手()順()

  1. 5日()分()の値()動()きを、+1%()・−1%()・+2%()・−2%()・0%()とします。平()均()は0%()(プラスとマイナスが打()ち消()し合()うため)
  2. それぞれの偏()差()(平()均()からのズレ)を2乗()します。1・1・4・4・0
  3. 2乗()した値()を平()均()します。(1+1+4+4+0) ÷ 5 = 2(分()散())
  4. 分()散()の平()方()根()をとります。√2 ≒() 1.41%()。これがこの5日間()のσです

実際()の株()式()市()場()では、日々()の値()動()きのσはだいたい1%()前()後()(年()によって変()わります)。ブラックマンデーの−20%()は、当()時()のσを基()準()にすると20倍()以()上()、「20σ」という桁()外()れの規()模()だった、ということです。

つまり「ばらつきは平()均()に収()束()する」のは本()当()だけど、「たまにとんでもない外()れ値()が来()る」のも本()当()。この二()つを両()方()知()っておくのが、統()計()分()析()の授()業()の結()論()です。

最()後()にひとつ、便()利()な"暗算()の道()具()"を。「72÷金()利()=お金()が2倍()になる年()数()」という目()安()があります()。年()利()6%()なら12年()、年()利()0.5%()なら144年()で2倍()になる計()算()です。これは次()の2時間()目()、プライシング理()論()でも使()います。

なぜこの計()算()をするのか

72の法()則()は、複()利()の厳()密()な計()算()を"ちょうどいい近()似()"にした数()字()です。まず電()卓()で検算()して、当()たっていることを確()かめます。「なぜ72なのか」の証()明()は、このすぐあとにまとめました。

電()卓()での再()現()手()順()

  1. 72を、6で割()ります。72 ÷ 6 = 12(年())
  2. 年()利()6%()で12年間()、複()利()で増()えるといくらになるか確()かめます。1.06を、電()卓()で12回()くり返()しかけます
  3. 12回()かけ終()わると、約()2.01倍()。ほとんど2倍()になりました。72の法()則()は、ちゃんと当()たっています

なぜ72なのか(証()明())

「2倍()になる」を式()にすると、こうなります。(1+金()利())を n回()かけ合()わせると2になる。金()利()をr(小()数())、年()数()をnとすると、(1+r)ⁿ=2 です。

このnを求()める道()具()が(たいすう、log)です。対()数()は「何()回()かけたらその数()になるか」を教()えてくれる計()算()。log₂8=3 なら、「2を3回()かけると8になる」という意()味()です。

(1+r)ⁿ=2 の両()辺()で対()数()(自()然()対()数()、ln)をとると、n × ln(1+r) = ln2 ≒() 0.693 になります。かけ算()の中()に埋()もれていた"回()数()n"が、対()数()を使()うことで前()に出()てきました。

ここでもう一()段()、近()似()を使()います。金()利()が小()さいとき、ln(1+r)はrにかなり近()い値()になります。年()利()6%()(r=0.06)で見()ると、ln(1.06)=0.0583。0.06との差()は、わずか0.0017です。

この近()似()(ln(1+r)≒()r)を使()うと、n ≒() 0.693 ÷ r。理()論()どおりに計()算()すると、正()しい目()安()は「69.3の法()則()」になります。

では、なぜ実際()には72を使()うのか。理()由()は二()つです。①72は2・3・4・6・8・9・12で割()り切()れて、暗算()に向()いています。69.3ではほとんど割()り切()れず、電()卓()なしでは扱()いにくいのです。②近()似()のズレは金()利()が高()いほど広()がり、実際()の年()数()は69.3÷rよりわずかに長()くなります。だから69.3よりわずかに大()きい72のほうが、投()資()でよく使()う金()利()帯()(4〜12%()程()度())では、かえって精()度()が上()がるのです。

検算()表()

金()利()厳()密()な年()数()72の法()則()
3%()23.4年()24年()
6%()11.90年()12年()
9%()8.04年()8年()
12%()6.12年()6年()

投()資()でよく使()う4〜12%()の金()利()帯()では、どの行()も差()はわずか0.1年()前()後()。72の法()則()は、ちゃんと当()たっています。

ユメ
ユメちゃん(初()心()者())
宝()くじ、当()たったらデカいのになあ……。
マリ
マリ先輩()(投()資()歴()10年())
夢()はあるけどね、還()元()率()は約()45〜50%()。買()った瞬()間()、半()分()前()後()は捨()ててるようなもの。しかも当()たる確()率()が低()すぎて、大()数()の法()則()が働()く前()に人()生()が終()わっちゃう。だから保()険()とインデックス投()資()は"回()数()"で殴()るの。

2時間()目() プライシング理()論()
値()段()は「将()来()のお金()の現()在()価()値()」

株()や債()券()の値()段()は、"未()来()にもらえるお金()を、今()の価()値()に割()り引()いたもの"です。この一言()で、金()利()が上()がると株()価()が下()がる理()由()まで説()明()できます。

質()問()です。「今()すぐもらえる100円()」と「1年()後()にもらえる100円()」、どっちが欲()しいですか? 答()えは決()まっています、今()すぐのほうです。今()の100円()は、銀()行()に預()ければ増()えるし、好()きなときに使()える。1年()後()の100円()のほうが、価()値()としては"ちょっと安()い"んです。この"ちょっと安()い"の正()体()が、(金()利())です。

この考()え方()を、10年()後()の100万()円()で試()してみます。「10年()後()に100万()円()もらえる」という約()束()が、今()の価()値()でいくらになるか()は、金()利()によって変()わります(2026年()10月()時()点()の金()利()水()準()を例()に)。

PRICING 同じ「10年後の100万円」でも、金利で目減りする 10年後にもらえる100万円の、今の価値(現在価値) 今日の100万円(基準・割引ゼロ) 90.5万円 74.4万円 60.2万円 金利 1% 日本10年債 3.0% 米国10年債 5.21% ※ 2026年10月時点の金利水準を例にした概算(金利は変動します)。金利が高いほど、未来のお金の"今の値打ち"は目減りする。

なぜこの計()算()をするのか

時()点()の違()うお金()は、そのままでは比()べられません。今()の100万()円()は、金()利()で毎()年()少()しずつ増()えていきます。だから10年()後()の100万()円()を「今()の値()打()ち」に直()すには、その"増()える分()"を1年()ずつ"巻()き戻()す"必()要()があります。それが「(1+金()利())で割()る」という計()算()の意()味()です。掛()け算()で増()えていく未()来()を、割()り算()で今()に戻()しているだけなんです。

式()で書()くと、現()在()価()値()=100万() ÷ (1+金()利())¹⁰。(1+金()利())¹⁰ は、(1+金()利())を10回()かけ合()わせるという意()味()(累()乗())です。電()卓()で10回()、割()り算()をくり返()しているのは、この累()乗()を1年()分()ずつ"逆()再()生()"しているのと同()じことです。

電()卓()での再()現()手()順()

  1. 米()国()の金()利()5.21%()(=1.0521)で試()してみます。まず、100万()を1.0521で割()ります。約()95.0万()円()(1年()分()、巻()き戻()せました)
  2. 出()た答()えを、もう一()度()1.0521で割()ります。これを何()度()もくり返()します。5回()くり返()すと、約()77.6万()円()
  3. 同()じことを10回()くり返()すと、約()60万()円()。これが図()で見()た「米()国()金()利()5.21%()のときの現()在()価()値()」です

同()じ「10年()後()の100万()円()」でも、金()利()が上()がるほど、今()の値()打()ちはどんどん目減()りします。金()利()が高()いほど「今()すぐのお金()」の魅()力()が増()すので、遠()い未()来()のお金()は割()り引()かれる(値引()きされる)んです。1時間()目()の"72の法()則()"を思()い出()してください。金()利()が高()いということは、お金()が早()く2倍()になるということ。だから「未()来()のお金()」の割引()もキツくなる。同()じコインの裏()表()です。

株()や債()券()の値()段()は、理()屈()のうえでは「これから受()け取()れる配()当()・利()息()・利()益()を、全()部()いまの価()値()に割()り引()いて、足()し合()わせたもの」です。だから金()利()が上()がると、将()来()もらえるお金()の"今()の値()打()ち"が全()部()目減()りして、値()段()(株()価()・債()券()価()格())が下()がります。特()には、遠()い未()来()の利()益()の割()合()が大()きい。だから金()利()が上()がると、割引()の"効()き目()"がより強()くきいて、株()価()が大()きく下()がりやすいんです。

この理()屈()が、教()科()書()どおりに現()実()で起()きたのが2022年()です。世()界()的()にインフレを抑()えるため、各国()が急()激()に金()利()を上()げました。結果()は次()のとおりです。

「株()も債()券()も同()時()に沈()む」という、教()科()書()にあまり載()っていないはずの組()み合()わせが起()きました(これは3時間()目()でくわしく扱()います)。がグロース株()に、1979年()以()来()2番目()の大()差()で勝()った年()でもありました。

ユメ
ユメちゃん(初()心()者())
金()利()が上()がると、なんで株()価()まで下()がるの? 別()物()じゃないの?
マリ
マリ先輩()(投()資()歴()10年())
株()の値()段()も「未()来()にもらえるお金()を、今()の値()段()に割()り引()いたもの」なの。金()利()が上()がると、その割引()がキツくなる。特()に遠()い未()来()の利()益()をあてにしてる成()長()株()ほど、効()き目()が強()く出()るんだよ。

3時間()目() ポートフォリオ理()論()
分()散()だけがタダのランチ

値()動()きの違()うものを組()み合()わせると、リターンを削()らずにリスク(ブレ)だけ減()らせます。ただし「万()能()のクッション」は存()在()しません。

天()気()は明日()を当()てるのも難()しいのに、"気()候()"は読()めます。「この地()域()は夏()は暑()く、冬()は雪()が降()る」という傾()向()は、毎()日()の天()気()予()報()より、ずっと当()てやすい。投()資()も同()じで、「来()年()どの国()・どの会()社()が勝()つか」(天()気())は、プロでも当()てられません。でも「世()界()全()体()に薄()く分()散()すれば、長()期()の傾()向()としてプラスに向()かいやすい」(気()候())は、歴()史()のデータから読()み取()れます。3時間()目()は、この"気()候()"の話()です。

「卵()を一()つのカゴに盛()るな」ということわざ、聞()いたことありますよね。カゴを落()としたら、卵()は全()部()割()れる。カゴを分()ければ、1つ落()としても残()りは無()事()。投()資()も同()じで、1つの会()社()・1つの国()に全()部()賭()けると、そこがダメになったとき、全()部()を失()います。

分()散()が効()くかどうかを決()めるのは、(そうかん)。値()動()きが同()じ方()向()に動()くか(相()関()が高()い=一緒()に転()ぶ)、逆()方()向()に動()くか(相()関()が低()い、またはマイナス=片()方()がコケても、もう片()方()は平()気())です。相()関()が低()いものを組()み合()わせるほど、分()散()の効()果()は強()くなります。

よく「株()が下()がったら、債()券()が支()えてくれる」と言()われます。2000〜2020年()は、たしかにそのとおりでした(株()と債()券()が逆()方()向()に動()きやすい、めずらしい時()期())。でも、2022年()に流()れが変()わります。株()も債()券()も、同()時()に大()きく下()がりました。Vanguardは「1977年()以()来()はじめて、株()と債()券()が同()じ年()に下()落()した」と報()告()しています。さらに言()うと、AQR(資()産()運()用()会()社())の調()査()では、1900〜2000年()の100年間()はむしろ株()と債()券()は"同()じ方()向()に動()く"ほうが普()通()でした。つまり2000〜2020年()の「株()が下()がれば債()券()が上()がる」のほうが、歴()史()的()にはむしろ例()外()。「債()券()は常()に株()のクッション」という思()い込()みは、誤()りです。

分()散()の効()果()を、銘()柄()数()(何()社()に分()けるか)で見()てみます。Evans & Archer(1968年())の研()究()では、8〜10銘柄()に分()けるだけで、個()別()企()業()のリスクの大()部()分()が減()らせるとされました。その後()の研()究()(Statman 1987年()は30〜40銘柄()、近()年()の研()究()では17〜50銘柄()など)では、必()要()な銘()柄()数()の見()積()もりに幅()がありますが、共()通()しているのはこの一点()です。分()散()で消()せるのは「その会()社()固()有()のリスク」だけ。景()気()全()体()が悪()くなる「市()場()そのもののリスク」は、何()銘()柄()に分()けても消()えません。

一()つの国()に集()中()する怖()さを、いちばん残()酷()に教()えてくれるのが日本()です。日経()平()均()株()価()は、1989年末()の史()上()最()高()値()から、その高()値()を回()復()するまで約()34年()かかりました(2024年()に更()新())。もう一()つの見()方()をすると、1994年()からの15年間()で、全()世()界()株()式()(MSCI ACWI、円()ベース)は累()積()で+91.7%()だったのに対()し、日本株()中()心()の株()60・債()券()40ポートフォリオは+14.8%()にとどまった、という試()算()もあります。もし1989年()に日本株()だけを持()っていたら、人()生()でいちばん大()事()な資()産()形()成()期()を、まるごと"待()ち"に費()やしていた計()算()です。

1時間()目()で見()たDMSの126年()データはこうも言()っています。「株()式()は、対()象()になったすべての国()で、債()券()・現()金()・インフレを上()回()った」。長()期()では、株()式()という資()産()クラス自()体()はどの国()でも報()われてきました。ただし同()じ調()査()は、いまの市()場()(特()に米()国()株())の集()中()度()が1933年()以()来()もっとも高()い水()準()にあることにも、警()告()を鳴()らしています。

だから、理()屈()のうえでいちばん"素()直()"な分()散()は、「世界中()の会()社()を、時()価()総()額()のぶんだけ、まるごと持()つ」ことになります。この話()は、「オルカン vs S&P500」のおまけで、もっと詳()しく扱()っています。

ユメ
ユメちゃん(初()心()者())
債()券()があれば、株()が暴()落()しても安()心()なんだと思()ってた……。
マリ
マリ先輩()(投()資()歴()10年())
それが2022年()に崩()れたの。株()も債()券()も同()時()に下()がった。「債()券()=いつでもクッション」じゃなくて、「分()散()=タダで手()に入()る、数()少()ない得()」くらいに考()えたほうが正()確()だよ。

4時間()目() リスク管()理()
リスクは消()せない。でも備()えられる

暴()落()そのものはなくせません。でも、備()え方()・分()け方()・時()間()の使()い方()で、ダメージは大()きく変()えられます。

上()りのエスカレーターで、ヨーヨーをして遊()んでいる人()がいるとします。ヨーヨーは上()下()に忙()しく動()きますが(短()期()の値()動()き)、乗()っている人()自()身()は、エスカレーターに乗()って着()実()に上()へ運()ばれています(長()期()の成()長())。株()式()市()場()も同()じで、日々()・年々()の値()動()き(ヨーヨー)は激()しくブレますが、経済()全()体()は長()期()でゆっくり成()長()を続()けてきました(エスカレーター)。4時間()目()は、この"ヨーヨーとエスカレーター"が表()す、短()期()のブレと長()期()の傾()向()に、どう付()き合()うかの話()です。

まず、過()去()の主()な暴()落()と、株()価()が高()値()を回()復()するまでの期()間()です(S&P500・価()格()ベース、配()当()を含()まない数()値()。配()当()込()みの数()値()を使()う「暴()落()が来()ても積立()を続()けられる理()由()」のおまけとは、下()落()幅()や回()復()期()間()がやや異()なります)。

RISK MANAGEMENT 暴落の深さと、回復までの期間 S&P500・価格ベース(配当を含まない)の下落率 −86% −49% −57% −34% −25% 世界恐慌(1929) ITバブル(2000) リーマン(2008) コロナ(2020) 2022年 回復20年超 データなし 回復約4年 33日で底/約5ヶ月 回復約2年 ※ S&P500・価格ベース(配当を除く)。配当込みの数値は「暴落が来ても積立を続けられる理由」のおまけとは異なります。

深()さも回()復()の早()さも、毎()回()まったく違()います。でも共()通()するのは、"いつか必()ず一()度()は経()験()する"ということ。暴()落()は事()故()ではなく、投()資()という行()為()に織()り込()み済()みの"通()常()運()転()"です。

ちなみに、下()落()と回()復()には"非()対()称()"があります。−50%()下()落()した資()産()が元()の値()段()に戻()るには、+100%()(2倍())の上()昇()が必()要()です。下()がれば下()がるほど、元()に戻()るための"坂()"は急()になります。世()界()恐()慌()の−86%()が回()復()に20年()超()かかったのは、深()さもさることながら、この非()対()称()性()のせいでもあります(−86%()からの回()復()には、理()屈()のうえで+614%()の上()昇()が必()要()です)。

なぜこの計()算()をするのか

パーセントは、いつも"その時()の値()段()"に対()する割()合()です。100万()円()が50万()円()になるのは−50%()。でも、50万()円()から元()の100万()円()に戻()るには、小()さくなった50万()円()を基()準()にして+100%()が必()要()になります。下()がったあとは、割()合()の"分()母()"が変()わっている。これが、下()落()と回()復()が非()対()称()になるトリックです。

電()卓()での再()現()手()順()

  1. 100万()円()に、0.5をかけます。100万() × 0.5 = 50万()円()(−50%()した状()態())
  2. 50万()円()に、2をかけます。50万() × 2 = 100万()円()(元()の値()段()に戻()った)
  3. 50万()円()を2倍()しないと戻()らない。これが「+100%()」の意()味()です

では、保()有()する期()間()を伸()ばすと、ブレはどう変()わるでしょうか。

RISK MANAGEMENT 保有期間が長いほど、ブレは"プラス側"に寄る 0%(損益分岐)を、またぐか・またがないか 0%(損益分岐) 保有1年 1年間のトータルリターン −62% +139% 0%をまたぐ=マイナスの年もある 保有20年 年率換算のローリング・リターン 最悪でも 年率+3.1% 0%より右=すべてプラス 上限は右に開放 1928年以降、すべての20年間でプラス(最悪の年率が+3.1%)。上限のデータはないため右へ開放的に表示。 ※ 米国株(概数)。1年は年間トータルリターンの振れ幅、20年は年率換算のローリング・リターン。金額のブレは別(本文参照)。

1年間()だけを見()ると、リターンは年()によって−62%()〜+139%()まで、大()きくブレます(米()国()株()、概()数())。ところが、20年()という期()間()で区()切()って見()ると(20年()ローリング・リターン)、1928年()以()降()のすべての20年間()で、結果()はプラスでした。最()悪()のケースでも、年()率()にして約()+3.1%()です。月()次()のデータで見()ても、マイナスが続()いた最()長()記()録()は1929年()〜1945年()の187ヶ月()、日数()にすると約()15.7年()。裏()を返()せば、過()去()の実績()では、約()15.7年()以()上()ならすべてプラスに転()じています。

ただし、ここは誠()実()に留()保()をつけます。「長()く持()てば持()つほど安()全()」という考()え方()には、学()術()的()な反()論()もあります。経済()学()者()サミュエルソン(1963/1969年())やボディ(1995年()、Financial Analysts Journal)は、「長()期()なら安()全()」という主()張()を否()定()しました。ポイントは"率()"と"金()額()"のズレです。保()有()期()間()を延()ばすほど、年()率()でみたリターンのブレ(%のブレ)は収()束()していきます。ところが、資()産()の額()そのもの(円()建()てのブレ)は、運()用()額()が大()きくなるにつれて、むしろ拡()大()します。「%のブレは小()さくなるのに、円()のブレは大()きくなる」。これが、長()期()=絶対()安()全()とは言()い切()れない理()由()です。だからこそ、目()標()(老()後()資()金()など)が近()づく高()齢()期()には、株()式()の比()率()を下()げていくのが一般()的()な考()え方()とされています。この論()争()はいまも決着()していません。ここで言()えるのは「歴()史()上()の実績()では、長()く持()つほどプラスに収()束()してきた」ことと、「理()論()的()には"長()期()=絶対()安()全()"とは言()い切()れない」ことの、両()方()が正()しい、ということです。

なぜ「率()のブレは縮()む、金()額()のブレは広()がる」のか

毎()年()の値()動()きが、前()年()と関()係()なくバラつく(独()立())と仮()定()します。この場()合()、複()数()年()をまとめたブレの大()きさは、年()数()nの平()方()根()(√n)に比()例()して動()きます。年()率()のブレ(1年()あたりに直()したブレ)は√nで割()ると縮()み、累()積()のブレ(最()終()的()な資()産()額()そのもののブレ)は√nをかけると広()がります。同()じ√nが、割()り算()では縮()小()に、かけ算()では拡()大()にはたらく。ここが二人()の議()論()の核()心()です。

電()卓()での再()現()手()順()

  1. 1年間()の値()動()きのσを、米()国()株()の目()安()である15%()とします
  2. 20年()分()の年()率()のブレを求()めます。15を、20の平()方()根()(√20≒()4.47)で割()ります。15 ÷ 4.47 ≒() 3.4%()。年()率()のブレは、大()きく縮()みました
  3. 20年()分()の累()積()のブレを求()めます。今()度()は15に、√20をかけます。15 × 4.47 ≒() 67%()。累()積()のブレは、逆()に拡()大()しました

資()産()額()そのもののブレが拡()大()するということは、「目()標()額()を下()回()らない保()証()」を金()融()商()品()として買()うなら、その保()証()(下()落()に備()えるプットオプション)の理()屈()上()の値()段()も、保()有()期()間()が延()びるほど高()くなる、ということです。サミュエルソンとボディが「長()期()=絶対()安()全()とは言()えない」と主()張()する根()拠()は、ここにあります。

実績()は「長()いほど、プラス寄()り」。
理()論()は「長()いほど絶対()安()全()、とは言()えない」。
両()方()、正()しい。

だからこそ、暴()落()のときに"売()らずに済()む"ための備()えが要()ります。その基()本()が。会()社()員()なら生()活()費()の3〜6ヶ月()分()、自()営()業()なら6ヶ月()〜1年()分()を、投()資()とは別()に、すぐ引()き出()せる形()(預()金()など)で持()っておく。これが一般()的()な目()安()です。暴()落()中()に「生()活()費()のために売()る」羽()目()にならなければ、理()屈()のうえでの回()復()を、ちゃんと待()てます。

もう一()つの備()えが、(資()産()配()分()を元()に戻()す作()業())。Vanguardの研()究()では、年()1回()、または資()産()配()分()が目()標()から5%()以()上()ズレたときに調()整()する、というルールが、多()くの人()にとって妥()当()とされています。リバランスには、もう一()つ地()味()な効()き目()もあります。値()下()がりした資()産()を機()械()的()に買()い増()す"逆()張()り"効()果()です。ある研()究()(1926〜1994年()のデータ、確()度()は中())では、この効()果()だけで年()率()+0.49%()ほどの上()乗()せがあった、との報()告()もあります。難()しく考()えず、「年()に1回()、決()まった日()に見()直()す」だけでも十分()です。

そして最()後()、いちばん実践()的()な備()えは「見()ない・売()らない仕()組()み」です。暴()落()中()にどう気()持()ちと付()き合()うかは、「暴()落()が来()ても積立()を続()けられる理()由()」のおまけに、くわしく書()きました。

ユメ
ユメちゃん(初()心()者())
20年()も待()てば絶対()プラスってこと?
マリ
マリ先輩()(投()資()歴()10年())
"過()去()は"ね。1928年()以()降()のすべての20年間()はプラスだった、これは事()実()。でも学()者()の中()には「絶対()とは言()えない」って指()摘()する人()もいる。だから"備()え"も一緒()にやっておくの。生()活()防()衛()資()金()があれば、暴()落()中()に売()らずに済()むから。

Extra Class

課()外()授()業():
アクティブは平()均()で必()ず負()ける算()数()

「プロに任()せれば市()場()に勝()てる」は、平()均()では成()立()しません。これは腕()前()の問()題()である前()に、算()数()の問()題()です。

経済()学()者()ウィリアム・シャープが1991年()に示()した、シンプルな理()屈()があります(The Arithmetic of Active Management)。市()場()全()体()のリターンは、参()加()者()みんなの平()均()。市()場()に勝()とうとする人()たち()の平()均()も、コストを引()く前()は市()場()とぴったり同()じになります。これは足()し算()引()き算()の話()で、動()かせません。でもアクティブ運()用()には、調()査()や売()買()のコストがかかる。だから、コストを引()いたあとは、平()均()では必()ず市()場()に負()けます。

これは理()屈()だけでなく、データでも裏()付()けられています。SPIVA(S&P Dow Jones Indices)の調()査()(米()国()、2025年末()時()点())によると、米()国()の大()型()株()アクティブファンドのうち、市()場()(S&P500)に負()けた割()合()は79%()。20年()という長()い期()間()では、約()92%()が市()場()に負()けています。日本()市()場()のデータ(2024年末()時()点())でも、「グローバル株()式()」のアクティブファンドは、15年間()で100%()が市()場()に負()けました(大()型()株()は10年()で85.85%()、15年()で81.46%()が負()け)。

差()を生()んでいるのは、主()にコスト。低()コストインデックスの信()託()報()酬()は年()0.1〜0.3%()程()度()(オルカンは年()0.05775%()、S&P500連動()の低()コスト商()品()は年()0.0814%()など)。一方()アクティブファンドは年()0.7〜2.0%()程()度()。その差()、年()約()1%()。これが毎()年()、確()実()に積()み重()なります。

ただし、この"算()数()"にも反()論()はあります。経済()学()者()ラッセ・ペダーセン(2018年())は、「市()場()は常()に変()化()する(新()規()上()場()・指()数()の入()れ替()えなど)ので、パッシブ側()にも売()買()が必()要()になり、シャープの前()提()ほど単()純()ではない」と指()摘()しています。もう一()つ有()名()な指()摘()が、。「誰()も調()べなければ、そもそも適()正()な株()価()が付()かない。アクティブ投()資()家()は、コストを払()って調()べることで、"正()しい価()格()"という、いわばみんなが使()える公()共()財()を提()供()している」という考()え方()です。どちらの反()論()も、シャープの結()論()を"覆()す"のではなく"補()う"もので、「低()コストインデックスが大()多()数()の人()にとって合()理()的()」という大()枠()は変()わりません。

この話()をもっと深()く、実証()データや別()の反()論()まで含()めて掘()り下()げたのが「なぜインデックス投()資()がいいの?」のおまけです。

Conclusion

まとめ:
4時間()目()までの、理()屈()のダイジェスト

ここまでをまとめます。

最()後()に、社()会()の変()化()を一()つ。新()NISA(つみたて投()資()枠()120万()円()+成()長()投()資()枠()240万()円()=年()360万()円()、生()涯()1,800万()円()まで非()課()税()、無()期()限())の口()座()数()は、2025年()12月末()の約()2,821万()口()座()から、2026年()6月末()には約()3,048万()口()座()に増()えました(金()融()庁())。累()計()の買()付()額()も、2025年()12月末()の約()71兆()円()から、2026年()6月末()には約()85兆()円()へ。日本()の家()計()の金()融()資()産()は2,519兆()円()(2026年()6月末()・日()銀()「資()金()循()環()統()計()」速()報())、そのうち現()預()金()の比()率()は44.9%()(2025年()9月末()には18年()ぶりに5割()を切()った49.1%()を記()録()し、その後()も低()下()が続()いています)。株()式()・投()資()信()託()は679兆()円()で27.0%()(過()去()最()高())、政()府()は2040年()までにこれを40%()まで引()き上()げる目()標()を掲()げています。理()屈()を全()部()覚()える必()要()はありません。でも、これだけの人()が"なんとなく"から"理()屈()を知()ったうえで"へ動()いている。今日()の4時間()、その一歩()を後()押()しできていたら嬉()しいです。

理()屈()は、暴()落()の日()を消()してはくれない。
でも、あなたを取()り乱()させにくくしてくれる。

References

参()考()文()献()

深掘()りしたい人()へ。数()値()・主()張()の出()どころです。

"理()屈()を知()った" あなたへ。

ここまで読()んだあなたは、統()計()・プライシング・ポートフォリオ・リスク管()理()という、投()資()理()論()の骨格()を知()っています。
暴()落()は消()せません。でも、次()に来()たとき、あなたは"知()らない人()"より落()ち着()けるはずです。
具()体()的()な始()め方()(口()座()・積立()・買()い方())は、本編()に。

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